最終更新:2026年10月27日

引越しで傷や紛失、追加請求に気づいたら、まず状況とやり取りを記録し、契約した業者の窓口へ連絡しましょう。このページでは、困りごと別に最初に確かめることと、くわしい対処法を案内します。
引越し作業は人の手によって行われます。口コミ評価の高い大手だからトラブルがないとは言い切れず、中小の業者だから必ず起こるわけでもありません。会社の規模だけで判断せず、見積書の内容や補償の説明を確かめておきましょう。
トラブルの種類と最初に確かめること
該当する行から確認を始めてください。費用や補償の結論は、契約内容と起きた事実を照らして判断します。
| 困りごと | まず確かめること | くわしい対処法 |
|---|---|---|
| 家・家具の傷 | 傷の写真、作業前の写真、発見日時を残し、業者へ連絡します。賃貸の壁や床なら管理会社にも状況を伝えます。 | 家や家具に傷をつけられた時 |
| 荷物の紛失・破損 | 段ボールの数と中身、搬出入の記録を照合します。壊れた物と梱包材は、確認が済むまで保管しましょう。 | 荷物がない・壊れた時 |
| 盗難が疑われる | 置いた場所・最後に見た時刻・持ち物を確認し、事実を記録します。紛失か盗難かを決めつけず、必要に応じて警察に相談します。 | 手荷物がなくなった時 |
| 追加料金 | 見積書と請求書を並べ、荷物量・作業条件の変更と追加の理由、金額の内訳を確認します。 | 追加請求への対応 |
| 内金・予約金 | 何の費用か、いつ支払うのか、約款上の根拠を聞きます。見積り時の内金・手付金は第3条第5項を確認します。 | 予約金を請求された時 |
| 来ない・遅れる | 見積書の受取日時と連絡内容を照合し、担当窓口に現在地や到着見込みを確認します。追加で生じた費用の領収書も残します。 | 業者が来ない時と損害賠償 |
| 作業員の態度 | 日時・発言・作業の状況を具体的に記録して、責任者や相談窓口に改善を求めます。 | 態度・対応に困った時 |
| 見積もり後の断り・キャンセル | 見積もりを受けただけか、契約済みかを確認します。契約後は受取日、連絡日、適用される約款を確かめます。 | 契約前後の違いと断り方 契約後のキャンセル料の詳細 |
| 受け取った段ボール | 未使用・使用済みの枚数、受取時の説明、返却方法と費用負担を確認してから返します。 | 段ボールの返却・送料 |
| 一括見積もりの電話 | 申込み先と連絡元を確認し、不要な連絡の停止を窓口に伝え、伝えた日時を残します。 | 見積もり後の電話への対応 |
| お礼・差し入れ | 渡すか迷ったら、まず業者の受取方針を確認します。作業代金とは分けて考えましょう。 | お礼と差し入れの考え方 |
連絡する前に残す記録
傷は周囲も写る写真と、傷が分かる写真を撮ります。荷物がない時は箱番号や品名、最後に確認した場所を書き出し、作業担当者と照合しましょう。搬入後はできるだけ早く荷ほどきし、家具や家電の状態も確かめてください。
- 引越し日、見積もり番号、担当支店・担当者名
- 見積書、適用される約款、追加作業の依頼・了承の記録
- 搬出前後の写真、品物の購入時期や価格が分かる資料
- 発見日時、連絡した日時・相手・回答、請求書や領収書
賃貸住宅の壁や床の傷は、入居時からの傷か、引越し作業で生じた傷かを確認することが大切です。敷金の精算にも関わるため、管理会社にも写真と経緯を伝えます。家の傷と、運んだ荷物の損傷は分けて記録しましょう。
修理を依頼する場合は、修理の範囲・方法・費用負担を確認し、合意内容を記録しましょう。希望する対応を伝え、業者の回答と次の連絡予定を文面で残すと、話し合いの経緯を追いやすくなります。
約款の3か月・1年の期限を分けて確認する
以下は国土交通省の標準引越運送約款に基づく説明です。契約で使われる約款も確認してください。建物の傷など、ここに挙げる荷物の責任とは別に検討する損害もあります。
一部の滅失・損傷は3か月以内に通知(第25条)
荷物の一部の滅失・損傷は、原則として荷物を引き渡した日から3か月以内に通知を発しないと、業者の責任が消滅します。「気づいてから3か月」ではありません。期限ぎりぎりまで待たず、発見したらすぐ連絡し、通知内容と送付日が分かる記録を保管しましょう。
ただし、業者がその損害を知って荷物を引き渡した場合は、この規定は適用されません(第25条第2項)。
裁判上の請求は原則1年以内(第27条)
荷物の滅失・損傷・遅延についての責任は、原則として引渡日から1年以内に裁判上の請求がされないと消滅します。全部滅失の場合は、引き渡されるべき日から数えます。業者への連絡や話し合いだけで、この裁判上の請求に代わるわけではありません。
損害発生後の合意により期間を延長できる定めがあります(第27条第2項)。また、第25条第3項・第27条第3項には第三者から委託された荷物の運送に関する特則があります。長く解決しない時は、期限前に消費生活センターや法律の専門家へ相談しましょう。
出典:国土交通省「標準引越運送約款」第25条・第27条(PDF)
見積もり・請求のトラブルを防ぐ確認
見積もりを受けただけなのか、依頼の合意をしたのかを分けて確認します。契約前の断り方と、契約後の解約手数料は同じ話ではありません。詳しくは見積もり後のキャンセルと断り方をご覧ください。
標準引越運送約款第3条第4項では見積料を請求しないと定めています。ただし、下見に要する費用を事前に知らせ、了解を得た場合は例外です。第5項は、見積り時の内金・手付金等を請求しない定めです。この例外の下見費用とは区別します。
追加料金を求められたら、荷物や作業条件が見積もり時から変わったか、誰が何を依頼したか、請求の内訳を確かめます。段ボールなどの資材費や返送料は、解約手数料と分けて説明を受けましょう。
解決しない時は消費者ホットライン188へ
担当者との話し合いが進まない、請求の説明に納得できない時は、責任者や会社の相談窓口へ経緯を伝えましょう。回答期限や次の連絡日も確認します。
相談先が分からない時は、消費者ホットライン「188」へ。身近な消費生活相談窓口などを案内してもらえます。相談は無料ですが、通話料がかかります。見積書・約款・写真・やり取りの記録を手元に置き、何が起き、何を求めているかを順に説明してください。
よくある質問
引越しで家具に傷がついたら、最初に何をしますか?
傷の場所と全体が分かる写真を撮り、発見日時と作業前の状態を記録して、契約した業者へ早めに連絡します。修理の方法・範囲・費用負担は、作業を進める前に確認しましょう。
荷物の破損は3か月以内に連絡すれば、それだけで十分ですか?
標準引越運送約款第25条の通知と、第27条の裁判上の請求は別の期限です。一部の滅失・損傷は原則として引渡日から3か月以内に通知を発し、滅失・損傷・遅延の責任については原則1年以内の裁判上の請求が必要です。例外もあるため、解決しない時は早めに相談してください。
引越し業者と話し合いが進まない時の相談先は?
消費者ホットライン188で身近な消費生活相談窓口の案内を受けられます。見積書・約款・写真・やり取りの記録・請求の内訳を用意しましょう。相談は無料ですが、通話料がかかります。
業者を改めて探す場合は、荷物量と作業条件をそろえて見積もりを比較しましょう。
出典・参考資料
- 国土交通省「標準運送約款」(標準引越運送約款・最終改正:令和7年国土交通省告示第193号)
- 消費者庁「消費者からの問合せ窓口」
情報の確認日:2026年10月27日(確かめ方は運営者情報・編集方針をご覧ください)
※本サイトに掲載している料金・相場は特定時点の参考値です。実際の料金は荷物量・移動距離・時期・作業条件によって変わります。正確な金額は各引越し業者の公式サイトまたは見積もりで必ずご確認ください。




