守さんは勤務先から辞令を受け、転勤をすることになりました。
守さんにとって初めての転勤です。
そしてひとりで行う初めての引越しなのです。
栄転でワクワクとはいえ、引越しのことを考えると内心はドキドキです。
どこに頼んだらいいんだろう?まずは見積もりだな。
このように考えた守さんはインターネットで複数の業者を検索。
引越し業者A社とB社に見積もり依頼をしたのでした。
まず、今の状態で引っ越し代がいくらかかるのか知りたい方はこちら
2社の見積もり
土曜日にA社の営業マンがやって来ました。
見積もり後「とりあえず置いていきますね。」と言って見積書と引越し用のダンボールを置いていきました。
翌日曜日にはB社がやって来て見積もりを行いました。
守さんはB社の見積もりに納得し、B社に引越しを依頼することにしました。
守さんがA社に断りを入れたところ、
「それでは先日お渡ししたダンボールを送り返してください。」と言われました。
そちらが勝手に置いていったのにと思い、
着払いでいいですか?
と尋ねると
送料はあなたの負担ですよ。
と言うのです。
ダンボールは束になっているため、ずっしり重くとても自分で持ってはいけません。
仕方なく宅配便を使い送り返したものの、業者が勝手に置いていったものをなぜ自分が送料まで出して送り返さなければならないのかと納得がいきません。
引越しは人生において一大イベントです。
ちょっと大げさかな?
引越しは経済的にも精神的にも体力的にもかなりたいへんだと思いませんか?
だからこそ、失敗は絶対にしたくないものです。
引っ越しが決まったらやるべきこと
引越しが決まったらしっかりプランニングしましょう。
引越し先を決めるのは当然のこととして、一番最初の仕事は「どこの業者に引越しを頼むのか?」ということですよね。
インターネットにはたくさんの業者が様々なプランを展開しており、その中から1社を選ぶのはとても難しいものです。
しかし、相場を知らなければ引っ越し代がどのくらいかかるのか見当もつきません。
おおよその相場を知るためには、以下のような一括査定サイトなどが便利です。
引越し価格ガイド
https://a-hikkoshi.com/
なるべく多くの業者に査定をしてもらいその上でうえで検討しても遅くはありません。
その中からここがいいのではないかなと自分に合いそうな業者を数社選んで見積もりをお願いするわけです。
後日担当者が見積もりに来てプランの内容や料金の説明をしてくれるのですが、決めるのは1社のみです。
その際は、説明はしっかり聞き、「?」のところは遠慮なく納得のいくまで質問しましょう。
まぁ、何とかここまではうまくいくのです。
多くの場合・・・。
注意してほしいこと
初めての時は1社目で「これでいいかな。」とすぐにでも契約したいと思ったのですが。
父から「何社か見積もりを取った方がいい。」と言われていたので、「多分こちらにお願いすると思うんですけど、2,3日考えさせていただいてもいいでしょうか?」と一旦保留したのです。
すると担当者の方が「それではダンボールを置いていきます。」と言い、ダンボールを置いて帰られたのです。
これは今回のケースにあるように見積もり時のよくある話です。
しかし、これがトラブルの原因になることがあります。
勝手においていったダンボールの送料は負担しなきゃいけないの?
今回のケースは果たしてどうなるのか、答えを先に言っておきましょう。
ズバリ、返却のための送料は守さんが支払わなければなりません。
「えーっ」と思う方も多いでしょうが、ダンボールは契約するまで受け取ってはいけません。
受け取ることで「契約した」とみなされてしまうからです。
ダンボールを受け取るという行為は、「商品を購入する」のと同じです。
ここで賢い消費者の皆さんは、「クーリングオフっていう手があるじゃない。」と思うでしょう。
さすがです!!
そうなんです。
一定期間内であれば「申し込んじゃったけれど、契約しちゃったけれど、頭を冷やしてよくよく考えたらやっぱり要らないわ。」と契約の解除ができるというものですね。
ここで無事に「契約解除!!」となれば万々歳なのですが、そうそううまくいかないところが引越しトラブルの悲しさなのです。
引越しトラブルの悲しさとは・・
自分でスーパーやデパートに出かけて商品を買ったりした場合もクーリングオフはできません。
同様に引越しも自らの意志で契約するんですよね。
引越し業者が個別訪問したり、電話営業で引越しの必要のない人に営業をかけることはまずないからなのです。
ほとんどの場合、引越しが決まったお客さんの方から見積もりをお願いして業者に来てもらうのが普通です。
ですからこのダンボール、クーリングオフは適用できません。
「何だかだまし討ちに遭ったみたい。」と思う方も多いでしょうね。
だからこそ、ここの微妙なからくりに惑わされないように気をつけてほしいのです。
見積もりに来た業者が「ダンボールを置いていくよ。」と言うのに対し、「まぁいいか。別の業者がよければ、ここはキャンセルすればいいんだし。」と考えて安易にダンボールを「預かって」いるつもりの人が意外に多いのです。
ここが問題!!です。
ほとんどの場合、引越し料金の中にダンボール代金も一定量含まれています。
ダンボールを受け取るということは引越しの依頼をするものと考えられてしまうということなのです。
依頼しないのであれば、
「あなたが契約をキャンセルしたんだから返却料はあなたが負担して当然でしょ。」となるわけです。
あくまで預かっているという意識なので、納得して「契約している」「ダンボールを買っている」という感覚はなく、「なんでキャンセルしたのに、ダンボール返却料は私が支払わないといけないの?」といった誤解をしてしまうわけなのです。
数社から見積もりを取るとA社よりもB社、B社よりもC社と後から見積もりをしてもらった業者の方が自分に合ったサービスを提供してくれるということも結構あるんです。
「いい業者さんに出会えた、C社に決めた。」なんてことはザラです。
守さんのように複数社を比較して後から見積もりをしてもらった業者と契約し、先に来た業者に断りを入れるというのはよくあることなのです。
断るとほぼ100%
わかりました。ではお渡ししていたダンボールは返却してください。
と業者の方は言います。
取りに来てくれる業者も稀にありますが、「お客様の方で返却願います」と言ってくる業者が圧倒的です。
もっとすごいのは「全部買い取ってください。」と言われるケースです。
ダンボールを使っていなくてもです。
ダンボールには業者の名前が印刷されているため、他の業者を利用しての引越しには使いづらいですよね。
返却してくれと言われても、ダンボールの束は大きく重いので、簡単にハイハイと持って行けるはずもなく、私は宅配業者にお願いしました。
送料がすごくかかるんですよね。
これは痛い出費です。
ひどい業者はこれって何回も使っているでしょと思うようなダンボールを置いていったのにもかかわらず、そう言ってきます。
「ちょっとちょっと、そっちが勝手に置いていったじゃないの?取りにくるのが普通でしょ。」私も何度言ったかわかりません。
当時は本当に無知でした。
そもそもどうしてダンボールを置いていくのでしょうか?
ズバリ!!「断りにくくするため」なんだそう。
「ダンボールを返却してください」と言われるとその手間や費用がかかり面倒です。
「ならば仕方ない、今回はここに頼むか。」となるのが引越し前のバタバタしている人の心理。
それを利用して契約を取ろうというわけです。
もちろん、引越しを急いでる人の中にはすぐにでも荷造りを始めたいからダンボールを置いていってよと言う人もいるでしょうが、そういう場合を除いて「置いていきます」と勝手に置いていく業者には要注意ということです。
覚えておきましょう。
良い業者は勝手にダンボールなどを置いていきません。
「どうしましょうか?」と尋ねてくるのが普通なんです。
引越しって大切な自分の財産を預けることなのです。
気持ちよく安心して引越しを済ませたいのなら、かかる費用を明確に、正々堂々と見積もりをしてくれる業者にお願いしたいものです。
今の状態で引っ越し代がいくらかかるのか知りたい方はこちら