引越しが決まって見積もりを取ったとき、最初に「もう少し安くならないか」と思った人は多いはずです。業者を比較する・繁忙期を外す、それだけでなく荷物を減らすことでも費用は確実に変わります。ただし、何を減らせばどれくらい安くなるかは品目によって大きく差があります。
このページでは、費用に効く荷物の減らし方と、処分の順番をまとめています。
引越しまで時間がない方でも、そのまま順番に進められるようにまとめました。
荷物を減らすと引越し費用はこれだけ変わる【数値で理解】
荷物が増えると費用が上がる理由は単純です。
運ぶ荷物の量によって、使うトラックのサイズが変わり、そのサイズで費用が大きく変わるからです。

【表1:トラックサイズ別の荷物量と費用目安】
| トラックサイズ | 荷物の目安(段ボール換算) | 単身目安費用 | ファミリー目安費用 |
|---|---|---|---|
| 軽トラ | 10〜15箱 | 3〜5万円 ※1 | なし |
| 2tトラック | 20〜30箱 | 5〜10万円 | 8〜13万円 |
| 3tトラック | 40〜60箱 | なし | 13〜23万円 |
| 4tトラック | 60〜80箱 | なし | 18〜30万円 |
※1:近距離(30km以内)・通常期限定の目安。繁忙期(2〜4月)は1.3〜1.5倍になることがあります。
※費用は同一都道府県内・通常期(5〜1月)の概算。出典:SUUMO・引越し侍(各社公開データ)。
ここで重要なのは「段ボール換算」という考え方です。
大型家電・大型家具は段ボール数箱分のスペースを占有します。
目安として:
| 品目 | 段ボール換算のスペース |
|---|---|
| 冷蔵庫(2ドア) | 約5〜8箱分 |
| 洗濯機(縦型) | 約4〜6箱分 |
| ソファ(2〜3人掛け) | 約8〜12箱分 |
| ベッド(セミダブル) | 約10〜15箱分 |
大型家具・家電を1台手放すだけで、トラックのサイズが1段階下がる可能性があります。
トラックが2tから軽トラに変われば、費用は数万円単位で変わります。
「荷物を減らす=細かいものを少し捨てる」というイメージを持っている人は多いですが、費用を動かすのは大型品の有無です。
次のセクションで、どの品目が費用に直結するかを整理します。
費用が大きく変わる品目・変わらない品目
荷物整理は大型品から始めるのが基本です。
費用に直結する品目と、そうでない品目を分けて考えましょう。
費用インパクトが大きい品目(まずここから)
大型冷蔵庫(2ドア以上)/洗濯機/ソファ/ベッド・マットレス
ダイニングテーブル(4人掛け以上)/テレビ台・食器棚・本棚(大型)
エアコン(旧居に設置済みのもの)
これらは1点でトラックの積載スペースを大きく使います。
「新居には新しいものを」と決められるなら、旧居で処分してしまう方が費用も下がって新居もすっきりします。
費用インパクトが小さい品目(ただし積み重なると影響あり)
衣類・靴/本・雑誌・CD/食器・キッチン用品
書類・年賀状/趣味品(小物)
これらは1点の影響は小さいですが、段ボール箱の数が積み重なると総量に影響します。
衣類なら2〜3箱分を1箱に絞れれば、数千円単位の違いが出ることもあります。
「何か1つでも大型品を手放せないか」を先に検討し、その後で小物類の整理に入るのが効率のいい順番です。
まず大型家具・家電から――品目別の判断基準
品目ごとに「持っていくか・手放すか」の判断基準を整理します。
悩む時間を短くするために、シンプルな基準に絞りました。

大型家電(冷蔵庫・洗濯機・エアコン)
冷蔵庫
- 購入から7年以上経っている → 新居で買い直しを検討
- 今の容量より大きい・小さいものに変えたい → 手放すタイミング
- 搬入経路(廊下幅・ドア幅・エレベーター)が新居に対応しているか未確認 → 搬入不可になるリスクがある
- 使っていない2台目がある → 真っ先に見直したい
洗濯機
- 購入から8〜10年以上 → 故障リスクが高くなる時期。買い替える予定なら、引越し前に手放した方が運搬費を抑えやすい
- 縦型・ドラム式を変えたい場合 → 手放すタイミング
- 新居に洗濯機置き場がない(または乾燥機付きが備え付け)
エアコン
- 旧居設置のエアコンは「置いていく」が基本(元々の設備に戻す場合あり)
- 自分で購入した場合でも、移設費用(1台3〜5万円程度)と新居での性能が合わなければ処分を検討
- 購入から10年以上 → 移設コスト>買い替えコストになることが多い
大型家電の処分先については後の「処分方法の選び方」セクションで詳しく説明します。
家電リサイクル法の対象品(冷蔵庫・洗濯機・エアコン・テレビ)は自治体の粗大ゴミでは捨てられないため、処分ルートが限られます。
大型家具(ベッド・ソファ・ダイニングテーブル)
ベッド・マットレス
- 新居の部屋の広さや間取りに合わない → 手放す
- 購入から7〜10年以上 → へたり・衛生面で買い替えを検討
- 新居でフローリングに布団に切り替える予定 → 必要なし
ソファ
- 新居のリビングの広さに合わない(搬入経路を含め)
- 購入から5年以上・汚れや劣化が目立つ
- 新居での生活スタイルが変わる(在宅勤務→デスク中心に、など)
ダイニングテーブル・食器棚・本棚(大型)
- 新居の間取りでは置けないサイズ
- 引越しを機に食器・本を大幅に減らす → 収納家具ごと手放せる
大型家具の売却は、フリマアプリよりもジモティーや地域の買取業者の方が引き取り手を見つけやすいです。
搬出まで含めて対応してもらえる業者を探すとスムーズです。
衣類・靴
基本の基準:1年以内に着たかどうか
- この1年で1回も着ていない → 手放す候補
- 「いつか痩せたら」「いつか着る機会が来たら」→ 手放す(機会は来ない)
- 同じ種類のものが複数ある(黒Tシャツが4枚など)→ 厳選して絞る
靴は足に合うかどうかで判断
- 履くたびに足が痛くなる靴 → 捨てる
- 1年以上履いていないヒール・フォーマル靴 → 手放す候補
衣類は段ボール1箱単位では費用への影響は小さいですが、まとめて3〜5箱減らせると積載量の計算が変わることがあります。
フリマアプリで売れそうな衣類はまとめて出品してみましょう。
食器・キッチン用品
「かぶり品」から手をつける
- 同じサイズのお皿が6枚以上ある → 4枚に絞る
- 来客用として買ったが一度も使っていない食器セット → 手放す
- 欠けている・汚れが落ちない食器 → 即処分
- 使っていない調理家電(ホットプレート・たこ焼き器など)→ 年1回未満なら手放す
食器は段ボールに詰めると重くなるため、引越し業者の料金に影響が出やすい品目でもあります。
本・CD・雑誌
基本の基準:最後に読んだのが1年以上前なら手放す候補です。
- 最後に読んだのが1年以上前 → 手放す候補
- 電子書籍で読めるもの → 紙版は手放す
- 雑誌・カタログ・説明書 → 基本的に全処分(必要な情報はWeb確認)
- CDは楽曲をデータ化してから処分を検討する
本・CDは1冊・1枚では小さくても、まとまった量になると段ボール数箱分になります。
ブックオフやAmazonの買取サービスを使えば、まとめて処分できます。
書類・年賀状
- 年賀状は過去2年分を残して処分(住所録をデータ化しておく → 思い出の品はデータで保存)
- 公共料金の請求書・領収書は3〜5年分を目安に保管(確定申告が必要な人は税務相談の上で判断)
- 取扱説明書は処分対象(メーカーサイトでPDF確認可)
- 通帳・重要書類は手放さず引越し時に貴重品扱いで自分で運ぶ
引越し2ヶ月前からの行動タイムライン
「何から始めたらいいかわからない」という状態が一番時間を使います。
順番を決めてしまえば、あとは機械的に動けます。
大型品ほど処分に時間がかかります。
粗大ゴミの回収は自治体によって数週間待つこともあるため、まず大型品から手をつけましょう。
【表2:引越し2ヶ月前からの週別タイムライン】
| 時期 | やること | カテゴリ |
|---|---|---|
| 引越し8〜6週前 | 大型家電・大型家具の処分先を決める。粗大ゴミ回収の予約を入れる | 大型品から |
| 引越し6〜4週前 | 衣類・靴の仕分け。フリマアプリへの出品開始 | 衣類・小物 |
| 引越し4〜2週前 | 本・CD・食器・書類の仕分け。リサイクルショップへ持ち込み | 小物 |
| 引越し2週前 | フリマアプリ出品の締め切り。売れ残りをリサイクルショップへ | 売却完了 |
| 引越し1週前 | 残り不用品を自治体ゴミまたは不用品回収業者へ依頼 | 最終処分 |
| 引越し前日 | 荷物量を最終確認。業者に荷物変更の可能性を連絡 | 確認 |
タイムラインで注意すること
粗大ゴミの回収は「申し込みから2〜4週間待ち」が標準的です(3〜4月の繁忙期は特に混みます)。
大型品を粗大ゴミで処分するなら、引越しの8週前(2ヶ月前)には予約を入れておきましょう。
フリマアプリは「出品してから購入されるまでの時間」が読めません。
高値で売りたい品目は4週前から出品を始め、2週前には「値下げして売り切る」か「リサイクルショップへ持ち込む」かの判断をします。
引越し前日に荷物量の変化を業者に伝えると、当日の作業効率が上がります。
「処分したので段ボール◯箱減りました」と連絡しておきましょう。
品目別・処分方法の選び方
処分方法によって、費用・手間・時間的余裕が大きく変わります。
品目と状況に合わせた方法を選ぶと、費用を余分にかけずに処分できます。
【表3:処分方法の比較】
| 方法 | コスト | 手間 | 向いている品目 | 必要な時間的余裕 |
|---|---|---|---|---|
| 自治体粗大ゴミ | 数百〜千円程度 | 要予約・日時指定あり | 家具・家電(家電リサイクル法対象外のもの) | 3〜4週間前 |
| フリマアプリ | 販売手数料のみ | 撮影・梱包が必要 | 衣類・小物・ブランド品 | 4週間前〜 |
| リサイクルショップ | 無料〜買取あり | 持ち込みが必要 | 家電・ブランド品・家具(状態次第) | いつでも |
| 不用品回収業者 | 数千〜数万円 | 最も楽(自宅に来てもらえる) | 量が多い・急ぎ・大型品が複数ある | 直前でも可 |
| 引越し業者に依頼 | 中程度(要見積もり) | 当日まとめてOK | 大型家具・大型家電 | 見積もり時に確認 |
自治体粗大ゴミ
費用が最も安く、家具・家電(家電リサイクル法対象外)に向いています。ただし日時指定があり、繁忙期は予約が2〜4週間待ちになります。自治体によっては「処理券を事前購入してから申し込む」手順が必要です。冷蔵庫・洗濯機・エアコン・テレビは粗大ゴミでは出せないため注意してください(家電リサイクル法の対象品)。
フリマアプリ
売れれば費用ゼロで手放せる(場合によっては収入になる)方法です。売り方のコツは不用品処分は手間をかけずに売るでまとめています。ブランド品・状態のいい家電・衣類は高値がつくことがあります。ただし「売れるまでの時間」が読めないため、引越しが2週間を切ったら売れ残りは値下げかリサイクルショップへの切り替えが安全です。
リサイクルショップ
持ち込みの手間はかかりますが、買取値がつかなくても「無料引き取り」をしてもらえることが多く、引越し前の処分に向いています。出張買取サービスを使えば自宅に来てもらうことも可能です。状態が悪いものはお断りになる場合があります。
不用品回収業者
自宅に来てもらって一度にまとめて引き取ってもらえる方法です。業者選びと費用相場は不用品を安く手間をかけずに処分する方法で詳しく解説しています。費用はかかりますが、「大型品が複数ある」「引越しまで時間がない」という場合は時間を節約できます。悪質業者(不当に高い費用を請求する)に注意が必要です。見積もり前に料金体系(トラック積み放題の場合、単品の場合)を確認してください。
引越し業者への依頼
一部の業者は引越しと同時に不用品の処分にも対応しています。「当日まとめて処分したい」という場合に向いています。見積もり時に「処分したい品目がある」と伝えると、対応可否と費用を確認できます。
不用品の手放し方は、大きく4つに分かれます。
品目と残り時間に合わせて選んでください。
荷物を減らしてもう一度見積もりを取り直す
荷物を減らした状態で改めて見積もりを取ると、最初の見積もりより安くなることがあります。
業者への連絡が最初の見積もりから日数が経っている場合は、変更点を伝えて再見積もりを依頼しましょう。
見積もりを取るときに複数社から同時に比較できる一括見積もりを使うと、荷物量の変化に合わせた料金を複数社まとめて確認できます。
よくある質問(FAQ)
Q. 引越しの何ヶ月前から荷物整理を始めるべきですか?
2ヶ月前(8週前)から大型品の処分から始めるのが目安です。
粗大ゴミの回収は自治体によって申し込みから2〜4週間待ちになることがあり、3〜4月の繁忙期は特に混み合います。
大型家電・大型家具の処分ルートをまず決め、次に衣類・小物の仕分けへ進む順番が効率的です。
上の「引越し2ヶ月前からの行動タイムライン」を参考に動いてみてください。
Q. 大型家電は自分で処分できますか?費用はどれくらいかかりますか?
冷蔵庫・洗濯機・エアコン・テレビは「家電リサイクル法」の対象品で、自治体の粗大ゴミでは捨てられません。
主な処分方法は以下の3つです。
- 購入した家電量販店に依頼(引き取り費用+リサイクル料金で3,000〜6,000円程度が目安)
- 引越し業者に処分を依頼(見積もり時に確認)
- 不用品回収業者に依頼(品目・業者によって異なる)
リサイクル料金は品目・メーカーによって異なります。
Q. フリマアプリで売り切れなかった場合はどうすればいいですか?
引越しまで2週間を切ったら、フリマアプリでの売り切りにこだわらない方が安全です。
- まず値下げして再出品する
- リサイクルショップへ持ち込み・出張買取を依頼する
- 知人・家族に声をかける(無料で引き取ってもらえる)
- 上記で解決しなければ、不用品回収業者に依頼する
引越し日が確定している以上、「売れなかった場合の出口」を先に決めておくと直前に慌てません。
Q. 引越し業者が不用品処分に対応しているか確認する方法は?
見積もり時に「一緒に処分したい品目があります」と伝えるのが一番確実です。
対応している業者は多いですが、処分できる品目・費用は業者によって異なります。
「当日まとめて処分したい」という場合は、見積もりの段階で品目と数量を伝えておくと、当日スムーズです。
一括見積もりを使えば、不用品処分の対応可否も含めて複数社を比較できます。
※本サイトに掲載している料金・相場は特定時点の参考値です。実際の料金は荷物量・移動距離・時期・作業条件によって変わります。正確な金額は各引越し業者の公式サイトまたは見積もりで必ずご確認ください。
【出典・参考情報】
・引越し侍「荷物を減らすコツ」
・引越し侍「トラック別積載・費用」
・SUUMO「引越し荷物の量・費用目安」

