きょうはいよいよ引越し当日。
越田さんはワクワクしていました。
入社してから3年。
職場に近い、おしゃれで以前から住んでみたいと思っていた憧れのマンションに空きが出たのです。
頑張って貯蓄してきた甲斐があったと今回思い切って引越しを決めたのでした。
荷物もしっかり箱詰めしたし、掃除も済ませたし、すぐにでも出られるのに肝心の引越し業者が来ないのです。
契約は午後便です。
本当は午前に引越してゆっくり荷物の整理をしたかったのですが、一人暮らしで荷物もそう多くはないし、何より料金が安いのが魅力で午後便にしたのです。
まさか間違えているのでは・・・。
越田さんはとまどっています。
どうしたらいいのでしょうか・・・
まず、今の状態で引っ越し代がいくらかかるのか知りたい方はこちら
引っ越し業者がこない!!
越田さんが業者に電話を入れると、
前のお客さんに手間取ってしまって。すみません。しばらくお待ちください。
と言うのです。
仕方ないな。
待っても待っても業者は来ず、もう午後4時です。
さすがに越田さんはキレました。
再び業者に電話を入れたところ、
交通渋滞に巻き込まれまして。
と言うのです。
遅くなると引越し先にも迷惑がかかります。
絶対、損害賠償を請求してやる。
憧れの生活の出鼻をくじかれたかたちの越田さん、相当怒っています。
引越し業者が来ないことってあるの?
引越し業者が来ない・・・そんなことが時々あるようです。
連絡しても来なかったとなると契約違反で損害賠償はできると思うのですが、ほとんどの場合は遅れてでもやって来ます。
さぁ、心を落ち着けてどういった契約をしているのか契約内容を確認してみましょう。
契約内容を確認
もしかしたら、引越し日を間違えていませんか?
まずは自分が間違えていないか確認しましょうね。
バタバタしていると自分の間違いも結構多いんですよ。
合っていたら業者に連絡をしてみましょう。
心の余裕があるのでしたら、連絡前にもう少し確認をしていただきたいことがあります。
引越し先での荷解きや挨拶を考えると急ぐのはよくわかります。
ですが、こればかりは業者が来ないとどうにもならないことなのです。
越田さんは午後便を契約しました。
引越しの時間は業者によって様々ですが、
- ・午前便
- ・午後便
- ・フリー便
と分かれているところや
- ・午前便
- ・午後1便
- ・午後2便
などと分けているところがあります。
この中で時間指定ができるのが午前便で、時間指定ができる分、料金が高めに設定されています。
午後便は午前の引越しが終わってからになります。
越田さんはこの午後便だったわけです。
ちなみにフリー便は引越し業者の都合で午前になったり、午後になったり、夜遅くになったりとまさにフリーなのです。
午後便やフリー便は時間の指定ができない分、午前便より料金が安く設定されているのです。
もし、午後便やフリー便の契約をしているのであればもう少し待ってみましょう。
引越しは時々思わぬアクシデントも発生します。
交通事故が発生して通行止めや迂回で思わぬ時間がかかってしまうといったことや越田さんのケースのように「前のお客さんに手間取ってしまって。」ということも起こります。
どんなトラブルがあるの?
引越し会社に聞いたところ、
・荷物を運ぶだけのプランを選んでいたのに行ってみたら
荷物が全く梱包されていなかった。
・運んだ家具が大きすぎて引越し先のドアから搬入できず、
2階の窓から吊るして入れる。
・別の作業が発生するために起こる遅れもあるとか。
実際こういうことは頻繁に起こっているのだそうですよ。
そうなると越田さんのケースのように午後便の作業がどんどん遅れてしまうわけです。
文句を言いたい気持ちは理解できますが、料金がお安くなっている分そこで得をしているわけですから我慢して待つしかありません。
でも、午後便でもあまりにも来るのが遅いとか、午前便なのに指定した時間に業者が来ない場合は連絡した方がいいでしょう。
ところで、越田さんの言う「絶対、損害賠償を請求してやる。」ですが、これはできるのでしょうか?
損害賠償を請求について
午前便で時間が決まっていたのに業者が遅れてきたら、引越し料金の値引きをすることもあるそうです。
ただし、これは常識的に考えてほしいのですが、悪天候や渋滞など業者の不手際とは言えない理由で遅刻した場合は難しいでしょう。
午後便やフリー便は、そもそも時間指定がないということで割安の料金が設定されていますので、来るのが遅いからといって損害賠償や値引きはまずできないものと考えた方がいいですね。
まぁ、ここまでは理解できます。
でもね、時々あるんです。
業者側の不手際・ミスによって遅刻したのに、その対応がお粗末で、それが余計に怒りに火をつけてしまうことが。
引越し業者の遅刻で引越しの時間が大幅に遅れてしまったり、引越しができなかったという場合には損害賠償は本当にできないのでしょうか?
こちらに落ち度はない場合でも泣き寝入りするしかないの?
それはないよね・・・。
そこでもう一度損害賠償について調べました。
トラブった時にはまずは怒らないで冷静に落ち着いて対応しましょう。
そしてトラブルが想定される引越しなどは荷物の準備だけでなく、心の準備やトラブルに対応するための知識も事前に蓄える必要があるのではないでしょうか。
備えあれば憂いなし。
知識があれば冷静に対応できるし、感情的にならなければ相手とも解決に向かって前向きな話し合いができるものです。
さて、話を元に戻しましょう。
「標準引越運送約款」というものの中で「遅延により直接生じた財産上の損害」に対して損害賠償の請求ができると記されているとのこと。
今までよく読んだことがなかったけれど、ならば請求することは可能なんですね。
例
・引越し日が明け渡しの予定だったのに遅れてしまったためにそれができず、1日分の賃料が発生した。
・引越し先に公共交通機関を使って移動する予定だったのに夜遅くなったため利用できずタクシーを使い、タクシー代が発生し、購入していたチケットも無駄になってしまった
など実害が出た場合です。
私は遠方への引越しだったためホテルを予約していたのですが、業者のミスで夜遅くなり、もう交通機関も運行していなかったため予約していたホテルにたどり着けず・・。
やむなくキャンセルし別のホテルに泊まったため、2重に宿泊料が発生するという被害に遭ったことがあります。
今にして思えば、何で損害賠償請求をしなかったんだろうと悔やまれてなりません。
このように損害が出た場合には支払いを求めることができるんです。
ただし、損害賠償を請求する時には常識的に行いましょう。
「遅れたために精神的苦痛を受けたから引越し代をチャラにしろ。」なんていうことは通りません。
引越しの契約は「荷物を運ぶ」ということで、「少しの時間の遅れもなく荷物を運びます。」というものではないからです。
前にも言いましたが、引越しにはアクシデントが発生することが多く、時間の遅れが発生する可能性を完全に排除することはできないのです。
予定も時間ぎりぎりに組んでいるとは思えず、余裕を持っているはずなのですが思わぬことが起こるのです。
常識のある業者でしたら、遅れそうなときには必ず連絡を入れてくれるはずです。
どのくらいで到着できるのか、何時ごろになりそうなのか、必ず確認しましょう。
あまりにも遅れるようで、連絡もない場合は営業所などに連絡を入れてみましょう。
余談になりますが、引越しを依頼する方にも注意が必要です。
依頼の際の注意事項
依頼をしたプランにそってきちんと準備をし、引越し当日に業者に必要以上の作業時間をかけさせないようにしなければなりません。
私は引越しを考えた時点で自分なりに大まかな「引越しのTo Doリスト」を作り、時期がはっきりしたらさらに細かく具体的な準備リストを作成していました。
こうすると引越し作業もスムーズに進み、業者の方や後に待っているお客さんにも迷惑をかけることはないですよね。
引越しは大仕事。
だからこそお互いに気持ちよくストレスの少ない引越しをするために、依頼したプランをよくよく確認し、最低限の準備はするようにしましょう。
今の状態で引っ越し代がいくらかかるのか知りたい方はこちら