結婚が決まると、引越しと入籍が同時に動き始めます。
「先に入籍?それとも引越しから?」「手続きはいつまでに?」と頭の中がぐるぐるする人も多いはずです。
結婚と引越しが重なると、決めることが一気に増えます。
このページでは、順番の考え方から費用・手続きリスト・助成金まで、結婚引越しで必要なことをひとつにまとめました。
まず全体像をつかんでおくと、2人で役割分担しやすくなります。
入籍と引越しはどっちが先?3パターン比較
「入籍が先?引越しが先?」これは多くのカップルが迷うポイントです。
正解はひとつではなく、2人の状況によって変わります。
3つのパターンそれぞれのメリット・デメリットを整理します。
パターン1:引越しを先にして、新住所から入籍する
引越し後、新しい住所から婚姻届を提出する方法です。
手続きの手間を最も減らしやすい方法です。

向いている人:入籍日に特別なこだわりがない人・手続きをできるだけシンプルにしたい人
メリット:住所変更が1回で完結する。婚姻届に書く新住所=実際の住まいになる
デメリット:引越し前は入籍できない。引越し日と入籍日を同日にすると当日の負担が重くなる
パターン2:現住所で入籍してから引越す
現在の住所で婚姻届を提出し、引越すパターンです。
入籍日を自由に選びたい場合に向いています。

向いている人:入籍日を記念日や吉日に合わせたい人
メリット:入籍日を自由に設定できる。引越しのスケジュールと切り離して動ける
デメリット:住所変更が2回必要(旧住所→新居)。役所の手続きが増える
このパターンでは「姓の変更」と「住所の変更」が別タイミングになるため、銀行や保険の手続きで「旧住所の新姓」という状態が一時的に生じます。
必要書類が増えることもあるため、少し余裕を持って準備しておくと安心です。
手続きの流れ:
- 現住所で婚姻届を提出(姓・本籍が変わる)
- 引越し前に転出届(旧住所の役所)、引越し後に転入届(新住所の役所)を提出
- 免許証・銀行口座などの住所変更
パターン3:入籍と引越しを同日に行う
引越し当日に婚姻届も提出するパターン。
記念にはなりますが、当日の負担は最も重くなります。

向いている人:入籍日と引越し日を一致させたい人
メリット:引越し日と入籍日が揃うので分かりやすい。日程調整が1回で済む
デメリット:引越し当日は体力的・時間的な余裕がほぼない。平日17時15分までに役所の窓口へ滑り込めるかが分かれ目になる
引越し後に役所へ行く時間が取れない場合、夜間窓口に婚姻届を提出する方法もあります。
ただし夜間窓口は「受付のみ」で、書類の審査は翌営業日になります。
不備があると翌日まで気づかないリスクがあるため、事前に役所の窓口で書類を確認してもらっておくと確実です。
手続きをできるだけ減らしたいなら、「引越しを先にして新住所から入籍する」方法が選ばれることが多いです。
入籍日にこだわりがある場合はパターン2が向いています。
2人でどのパターンが合っているか話し合ってから、引越し日と入籍日の調整に入りましょう。
結婚引越しで最初にやること【全体スケジュール】
引越し2〜3ヶ月前から動き始めるのが理想です。
入籍・引越し・手続きが重なる時期はやることが一気に増えます。
まずは全体のスケジュールを2人で共有しておきましょう。
「誰がいつまでに何をやるか」を決めておくだけで、後の揉め事をかなり減らせます。
スケジュールの目安:
- 2〜3ヶ月前:新居探し・引越し業者の相見積もり開始
- 1〜2ヶ月前:入籍日・引越し日を確定 / 業者を決定
- 1ヶ月前:各種住所変更の手続き開始(電気・ガス・水道など)
- 2週間前:荷造り開始・不用品の整理
- 3〜7日前:役所への転出届(旧住所の役所へ)
- 引越し前日:荷物の最終確認・貴重品の別管理
- 引越し当日:搬出→搬入→ライフラインの開通確認
- 引越し後:役所手続き(転入届など)・各種名義変更
引越し業者は早めに動くほど費用が抑えやすくなります。
3〜4月の繁忙期は料金が上がる時期なので、時期をずらせるなら閑散期(6〜8月・11月・1月)が費用面では有利です。
2人で分担するとスムーズなこと:
- インターネット回線の申し込みは工事の予約が混むため、新居が決まったら早めに動く
- 転出届は引越し前3〜7日がタイミング。どちらが担当するか事前に決めておく
手続きチェックリスト(役所・ライフライン・金融機関)
引越しと入籍が重なると、手続きの種類が一気に増えます。
引越し後はバタバタするため、事前にリストを作っておくと抜け漏れを防げます。
大きく3つのカテゴリに分けて整理します。
役所での手続き
| 手続き | タイミング | 窓口 |
|---|---|---|
| 婚姻届の提出 | 入籍日当日 | 役所の戸籍窓口 |
| 転出届 | 引越しの3〜7日前 | 旧住所の役所 |
| 転入届 | 引越し後14日以内 | 新住所の役所 |
| マイナンバーカードの住所変更 | 転入届と同時に手続き可能 | 新住所の役所 |
| 国民健康保険の切替(該当者のみ) | 引越し後14日以内 | 新住所の役所 |
| 印鑑登録(姓が変わった場合) | 入籍後、必要に応じて | 新住所の役所 |
| 免許証の住所・姓変更 | できるだけ早めに | 警察署・運転免許センター |
転出届は引越し前に旧住所の役所で手続きします。
窓口に行けない場合は郵送対応している自治体もあります(事前に問い合わせてみてください)。
転入届は引越し後14日以内が法律上の期限です。
期限を過ぎると過料の対象になることもあるため、引越し後すぐに役所へ行くスケジュールを確保しておきましょう。
婚姻届を提出した当日に「婚姻届受理証明書」を申請しておくと、住民票への反映(7〜10日かかる場合がある)を待たずに後続の手続きを進める際の証明として使えます。
銀行や保険の手続きを急ぎたい場合には、婚姻届の提出と同時に窓口で申請しておくと安心です。
ライフラインの手続き
| 手続き | 連絡先 | タイミング |
|---|---|---|
| 電気の解約・契約 | 各電力会社 | 引越し1〜2週間前 |
| ガスの解約・開栓 | 各ガス会社 | 引越し1〜2週間前(開栓は立会いが必要) |
| 水道の解約・契約 | 各水道局 | 引越し1〜2週間前 |
| インターネット回線 | プロバイダ | 引越し1〜2ヶ月前(工事が必要な場合あり) |
| 固定電話 | NTTなど | 必要な場合のみ |
インターネットの回線工事は予約が混み合うことが多く、3〜4月の繁忙期は数週間待つ場合もあります。
新居が決まったら早めにプロバイダへ連絡しておくと安心です。
ガスの開栓は作業員の立会いが必要です。
引越し当日に手配できない場合、お風呂・調理が使えない日が生じます。
引越し前日までに開栓日を確定させておきましょう。
金融機関・その他の手続き
| 手続き | 備考 |
|---|---|
| 銀行口座の住所・姓変更 | 姓が変わる場合は窓口対応が必要なことが多い |
| クレジットカードの住所・姓変更 | 各カード会社のWebまたは電話 |
| 生命保険・医療保険の変更 | 受取人・住所・姓の変更 |
| 年金の住所変更(国民年金) | 役所窓口または年金事務所 |
| 年金(会社員の場合) | 勤務先経由で手続き可能 |
| 車・バイクの住所変更 | 引越し後15日以内(道路運送車両法第12条)※原付は市区町村届出 |
| 車庫証明の取得(必要な場合) | 新住所の警察署 |
金融機関は姓が変わる場合に書類が増えます。
「役所系→ライフライン→金融機関」の順に片付けると、書類を探し直す手間が減ります。
手続きには優先度があります。
マイナンバーカードは他の手続きの本人確認書類として使うため転入時に最優先で変更してください。
国民健康保険・年金の住所変更は14日以内という期限があるため次に対応します。
銀行口座・クレジットカードは、新姓の身分証が手元に揃ってから窓口へ行くと一度で完結しやすくなります。
結婚引越しの費用相場と節約法
別々に暮らしていたカップルが一緒に新居へ引越す場合も、同棲中から移る場合も、費用は荷物の量・移動距離・引越し時期・プランの選び方によって変わります。
「実際いくらかかるのか」は、見積もりを取ってみないと分かりません。
ただ、費用を構成する要素を先に把握しておくと、交渉や比較がしやすくなります。
費用の主な内訳
- 引越し費用:荷物量・距離・時期・プランによって異なる
- 新居の初期費用:敷金・礼金・前家賃・仲介手数料など(家賃の数ヶ月分が目安)
- 家具・家電の買い替え:2人分が重複するものは整理してから購入
- 引越し挨拶品:近隣への挨拶品(任意)
正確な引越し費用は、複数社から見積もりを取って比較しないと分かりません。
一括見積もりサービスを使うと、複数社の料金を一度に比較できます。
なお、重複する家具・家電は、不用品処分は手間をかけずに売る方法で整理しておくと、荷物が減って費用も抑えやすくなります。
費用を抑える3つのポイント
3〜4月は学生・新社会人の引越しが集中するため、料金が上がる傾向があります。
引越しを6月以降にずらせる場合は費用が変わることがあります。
別々の家に住んでいるカップルが引越す場合、2人分の荷物を1台のトラックでまとめて運ぶプランが使えます。
詳しくは次のセクションで説明します。
1社だけに頼むと、それが適正価格かどうか判断できません。
少なくとも2〜3社から見積もりを取り、サービス内容と料金を比べてから決めましょう。
特に「立ち寄りプラン」は、同じ条件でも業者によって数万円差が出ることがあります。
別居から新居へ引越す場合は、見積もり前に2人で荷物量をすり合わせておくと料金が変わることがあります。
重複している家電(洗濯機・掃除機・電子レンジなど)を整理して積載量を減らしておくと、トラックのサイズが下がり費用が変わることもあります。
見積もりを依頼する前に2人で一度チェックしておきましょう。
2人分の荷物をどう運ぶかは、費用に直結します。
別居状態から新居へ引越す場合に使える「立ち寄りプラン(二箇所積み)」を次のセクションで見ていきましょう。
立ち寄りプラン・二箇所積みの使い方
別々の家に住んでいるカップルが、結婚や同棲を機に新居へ引越す場合、「立ち寄りプラン(2箇所積み・2地点積み)」を利用すると、引越し費用を抑えられることがあります。
一方で、すでに同棲中の2人が同じ家から新居へ引越す場合は、荷物の積み込み場所が1か所のため、このプランは利用できません。
立ち寄りプラン(2箇所積み)とは?
1台のトラックが2人それぞれの家を回り、まとめて新居へ荷物を運ぶ引越し方法です。

引越しの流れ
彼(彼女)の旧居
↓
相手の旧居
↓
2人の新居
立ち寄りプランのメリット
- 費用を抑えられることがある
- 同じ日に新生活を始められる
- 見積もりや手続きをまとめられる
立ち寄りプランのデメリット
2人の都合が合わないと使えません。
2人の旧居が遠すぎて1日で作業を終えられない場合も、利用できないことがあります。
また、トラック1台に収まる量が前提です。
2人分の荷物が多すぎる場合は、事前に不用品を処分して量を減らしておく必要があります。
トラックのサイズ別に積める荷物量の目安は、引越し業者のトラック大きさ別!積める荷物量の目安で確認できます。
利用する前に準備しておきたいこと
重複する家具・家電を整理する
2人で生活していくと、掃除機・洗濯機・キッチン家電など重複するものが出てきます。
どちらか状態の良い方だけ持っていき、古い方は処分しておくとトラック1台に収まりやすくなります。
まだ使える家電なら、売れない不用品は積極的にあげる方法で引き取り手を探すのも手です。
引越し2週間前までに2人で話し合って決めておくと、直前の慌てが少なくなります。
引越し当日は1日予定を空けておく
2か所で荷物を積み込むため、通常より作業時間が長くなることがあります。
引越し日は2人ともフルで動ける日を選んでおきましょう。
業者へ直接問い合わせる
「立ち寄りプラン」「2箇所積み」「2地点積み」「カップル引越しプラン」など、名称は業者によって異なります。
業者のサイトで検索してもヒットしないことが多いため、サイトで見つからない場合でも直接電話・問い合わせフォームで「2箇所積みに対応していますか」と聞いてみてください。
複数社にまとめて問い合わせるなら、無料で複数の引越し業者の一括見積もりが取れるサイト一覧が便利です。
荷物の量と2人の旧居の距離を確認する
荷物がトラック1台に収まるか、2人の旧居が1日で回れる距離かによって、利用できるかどうかが決まります。
事前に確認しておくと、見積もりもスムーズです。
新生活には、引越し以外にも家具や家電の購入など、さまざまな費用がかかります。
引越し費用や住居費の一部を補助する支援制度もあるため、次のセクションで確認してみましょう。
結婚新生活支援事業(助成金)の活用
結婚を機に新居を構える世帯を支援する「結婚新生活支援事業」という補助制度があります。
実施しているのは全国の一部自治体のみで、すべての世帯が対象になるわけではありません。
お住まいの自治体で実施されていて条件を満たせば、住居費・引越し費用に対して最大60万円が助成されます。
助成金額の目安(令和8年度):
- 夫婦ともに29歳以下:最大60万円
- 夫婦ともに39歳以下(30〜39歳含む):最大30万円
※年齢は婚姻日時点。夫婦のいずれかが40歳以上の場合は対象外。
主な要件:
- 所得要件:夫婦合算の合計所得金額が500万円未満(令和7年分)(年収ではなく所得金額。給与収入なら目安650万円前後)
- 対象費用:住宅取得費・住宅賃借費(敷金・礼金・仲介手数料・賃料3ヶ月分まで)・リフォーム費・引越し費用
- 実施主体:市区町村(全自治体ではなく参加自治体のみ。令和5年度は全国894自治体が参加)
申請の流れ(一般的な手順):
- お住まいの市区町村で制度を実施しているか確認する
- 申請要件(年齢・所得・婚姻日・対象費用)を確認する
- 必要書類(婚姻届受理証明書・賃貸契約書・引越し費用の領収書など)を揃える
- 申請期限内に窓口へ提出する
例年の傾向を見ると、夏頃に受付を開始し、翌年3月末に締め切るケースが多いです。
予算が上限に達すると受付終了になる場合があるため、入籍後できるだけ早めに自治体のサイトをチェックしておきましょう。
領収書など費用証明の書類は捨てずに保管しておきましょう。
この制度を後から知って「使えなかった」という経験者の声には、いくつかの共通パターンがあります。
「引越し費用の領収書をすでに捨てていた」「入籍から数ヶ月後に制度を知ったが、自治体の予算上限で受付が終了していた」「申請期限を過ぎていた」という話がよく聞かれます。
申請に必要な書類(婚姻届受理証明書・引越し費用の領収書・賃貸契約書など)は、引越し当日から意識して手元に残しておくことが大切です。
入籍後の早いタイミングで自治体の窓口またはWebサイトで確認する習慣をつけておくと、こうした取りこぼしを防げます。
よくある質問(FAQ)
Q. 入籍と引越しを同じ日にできますか?
A. できます。
ただし当日の負担は相当大きくなります。
引越し作業が完了してから役所の窓口へ行くか、夜間窓口に婚姻届を提出するかが一般的な対応です。
夜間窓口は「受付のみ」で、書類の審査は翌営業日になります。
不備があると翌日まで気づかないリスクがあるため、事前に役所の窓口で書類を確認してもらっておくと安心です。
Q. 婚姻届はどこの役所に出してもいいですか?
A. 本籍地・住所地に関係なく、日本全国どこの役所(市区町村の戸籍窓口)にも提出できます。
リゾート地などの旅先で提出して書類に不備が見つかった場合、後日、地元の役所まで修正に行かなければならない場合もあります。
不備なく提出したいなら、事前に最寄りの役所で書類を確認してもらっておくのが安全です。
Q. 助成金はいつ申請すればいいですか?
A. 自治体によって異なりますが、夏頃に受付を開始し、翌年3月末に締め切るケースが多いです。
まず入籍後できるだけ早めに、お住まいの市区町村が制度を実施しているかどうかを調べてみてください。
申請には引越し費用の領収書・婚姻届受理証明書・賃貸契約書などが必要になるケースが多いため、書類は早めに揃えて保管しておきましょう。
Q. 2人の荷物が多い場合、立ち寄りプラン(二箇所積み)は使えますか?
A. 荷物がトラック1台に収まる量であれば使えます。
荷物が多すぎる場合は、(1)不用品を処分して荷物量を減らす、(2)大型トラックに変更する、(3)別々に引越すという選択肢になります。
Q. 婚姻届と転入届は同時に出せますか?
A. 引越し先の役所に転入届を出すタイミングで、同じ窓口で婚姻届も提出できます。
ただし、転入届は引越し後でないと受理されないため、引越し前に2つ同時に出すことはできません。
引越し当日に両方済ませたい場合は、搬入完了後に役所へ行くスケジュールを確保しておいてください。
Q. 役所の手続きで姓が変わった場合、何を優先して変えればいいですか?
A. 一般的な流れとして、次の順番が選ばれることが多いです。
- マイナンバーカード・免許証(身分証になるため最優先)
- 銀行口座・クレジットカード(新住所・新姓の身分証を持参してから窓口へ)
- 保険・年金(会社員は勤務先経由でまとめて対応できることが多い)
銀行や保険は「新しい姓の身分証」がないと手続きが進まないことがあるため、役所での手続きを先に片付けてから金融機関に行く順番にするとスムーズです。
まとめ
結婚前後は、家具の購入や新居の初期費用など、想像以上にお金が出ていきます。
引越し代はできるだけ抑えておきたいところです。
特に「立ち寄りプラン」「2箇所積み」は、業者によって配車ルートの空き状況が異なるため、同じ条件でも数万円差が出ることがあります。
2人の新生活の予算を守るためにも、まずは一括見積もりを使って、条件に合う業者をいくつかピックアップすることから始めてみてください。
※本サイトに掲載している料金・相場は特定時点の参考値です。実際の料金は荷物量・移動距離・時期・作業条件によって変わります。正確な金額は各引越し業者の公式サイトまたは見積もりで必ずご確認ください。

