結婚が決まったカップルは、引越しと入籍が同時進行になります。「何から手をつければ?」と迷う人は多いですが、最初に全体の流れをつかんでおけば、準備の見通しが立てやすくなります。
あなたの疑問、まず確認
| こんな悩みがある方 | 結論 |
|---|---|
| 入籍と引越し、どっちが先? | 手続きを減らすなら「引越し→入籍」が一般的 |
| 一番大変なのは? | 転出・転入・ライフラインの同時進行 |
| 費用を抑えるには? | 二箇所積み(立ち寄りプラン)+相見積もり |
| 助成金は使える? | 自治体が実施していれば最大60万円の可能性あり(要件確認が必要) |
結婚引越しの流れ【30秒で分かる】
| 順番 | やること |
|---|---|
| 1 | 新居を決める |
| 2 | 引越し見積もり |
| 3 | 引越し日決定 |
| 4 | 入籍 |
| 5 | 転出・転入届 |
| 6 | ライフライン変更 |
| 7 | 助成金確認 |
入籍と引越しはどっちが先?3パターン比較
「入籍が先?引越しが先?」これは結婚する人のほとんどが迷うポイントです。答えは状況によって変わります。3つのパターンそれぞれのメリット・デメリットを整理します。

パターン1:引越しを先にして、新住所から入籍する
引越し後に新しい住所から婚姻届を提出する方法です。手続きの回数が最も少なくて済みます。
向いている人:入籍日に特別なこだわりがない人・手続きを極力シンプルにしたい人
| メリット | 住所変更が1回で完結する。婚姻届に書く新住所 = 実際の住まいになる |
| デメリット | 引越し前は入籍できない。引越し日と入籍日を同日にすると当日の負担が大きい |
パターン2:現住所で入籍してから引越す
現在の住所で婚姻届を提出し、その後引越すパターンです。入籍日を自由に選びたい場合に向いています。
向いている人:入籍日を記念日や吉日に合わせたい人
| メリット | 入籍日を自由に設定できる。引越しのスケジュールと別に動ける |
| デメリット | 住所変更が2回必要(旧住所→新居)。役所の手続きが増える |
パターン3:入籍と引越しを同日に行う
引越し当日に婚姻届も提出するパターン。記念になりますが、当日の負担は最も重くなります。
向いている人:入籍日と引越し日を一致させたい人
| メリット | 引越し日と入籍日が揃うので分かりやすい。日程調整が1回で済む |
| デメリット | 引越し当日は体力的・時間的な余裕がほぼない。平日17時15分までに役所の窓口へ滑り込めるかが、当日入籍を成功させる分かれ目になります |
夜間窓口に出す場合は「受付のみ」で、書類の審査は翌営業日になります。不備があっても翌日まで気づかないリスクがあるため、事前に窓口で書類を確認してもらっておくと安心です。
結局どれが選ばれることが多い?
「引越しを先に済ませて、新住所から入籍する」という流れが、手続きがシンプルになるためよく選ばれます。入籍日にこだわりがある場合はパターン2が向いています。
結婚引越しで最初にやること【全体スケジュール】
引越しの2〜3ヶ月前から動き始めるのが理想です。入籍・引越し・手続きが重なる時期は、やることが一気に増えます。大まかなスケジュールを先に決めておくと、2人で共有しておくだけで、どっちが何をやるかの揉め事を減らしやすくなります。

まずはスケジュールを決める
| 時期 | やること |
|---|---|
| 2〜3ヶ月前 | 新居探し・引越し業者の相見積もり開始 |
| 1〜2ヶ月前 | 入籍日・引越し日を確定/業者を決定 |
| 1ヶ月前 | 各種住所変更の手続き開始(電気・ガス・水道など) |
| 2週間前 | 荷造り開始・不用品の整理 |
| 3〜7日前 | 役所への転出届(旧住所の役所へ) |
| 引越し前日 | 荷物の最終確認・貴重品の別管理 |
| 引越し当日 | 搬出→搬入→ライフラインの開通確認 |
| 引越し後 | 役所手続き(転入届など)・各種名義変更 |
引越し業者は早めに動くほど費用が抑えやすくなります。3〜4月の繁忙期は料金が高くなることが多いため、時期をずらせるなら閑散期(6〜8月・11月・1月)が費用面では有利です。
手続きチェックリスト(役所・ライフライン・金融機関)
結婚引越しでやるべき手続きは、大きく3つのカテゴリに分かれます。引越し後はバタバタするため、事前にリストを作っておくと抜け漏れを防げます。

役所での手続き
| 手続き | タイミング | 窓口 |
|---|---|---|
| 婚姻届の提出 | 入籍日当日 | 役所の戸籍窓口 |
| 転出届 | 引越しの3〜7日前 | 旧住所の役所 |
| 転入届 | 引越し後14日以内 | 新住所の役所 |
| マイナンバーカードの住所変更 | 転入届と同時に手続き可能 | 新住所の役所 |
| 国民健康保険の切替(該当者のみ) | 引越し後14日以内 | 新住所の役所 |
| 印鑑登録(姓が変わった場合) | 入籍後、必要に応じて | 新住所の役所 |
| 免許証の住所・姓変更 | できるだけ早めに | 警察署・運転免許センター |
転出届は引越し前に旧住所の役所で手続きします。窓口に行けない場合は郵送対応している自治体もあります(事前に確認してください)。
転入届は引越し後14日以内が法律上の期限です(住民基本台帳法第22条)。期限を過ぎると過料の対象になることもあるため、役所へ走るスケジュールを確保してしまうのが鉄則です。転入届の後にやることは引越し後に段取りすることにまとめています。
ライフラインの手続き
| 手続き | 連絡先 | タイミング |
|---|---|---|
| 電気の解約・契約 | 各電力会社 | 引越し1〜2週間前 |
| ガスの解約・開栓 | 各ガス会社 | 引越し1〜2週間前(開栓は立会いが必要) |
| 水道の解約・契約 | 各水道局 | 引越し1〜2週間前 |
| インターネット回線 | プロバイダ | 引越し1〜2ヶ月前(工事が必要な場合あり) |
| 固定電話 | NTTなど | 必要な場合のみ |
インターネットの回線工事は予約が混み合うことが多く、特に3〜4月の繁忙期は数週間待つ場合もあります。新居が決まったら真っ先にプロバイダへ連絡してください。
ガスの開栓は作業員の立会いが必要です。引越し当日に手配できない場合はお風呂・調理が使えない日が生じるため、引越し前日までに開栓日を確定させておきましょう。
金融機関・その他の手続き
| 手続き | 備考 |
|---|---|
| 銀行口座の住所・姓変更 | 姓が変わる場合は窓口対応が必要なことが多い |
| クレジットカードの住所・姓変更 | 各カード会社のWebまたは電話 |
| 生命保険・医療保険の変更 | 受取人・住所・姓の変更 |
| 年金の住所変更(国民年金) | 役所窓口または年金事務所 |
| 年金(会社員の場合) | 勤務先経由で手続き可能 |
| 車・バイクの住所変更(普通車・二輪) | 引越し後15日以内(道路運送車両法第12条)※原付は市区町村届出 |
| 車庫証明の取得(必要な場合) | 新住所の警察署 |
金融機関は姓が変わる場合に書類が増えます。「役所系→ライフライン→金融機関」の順に片付けると、書類を探し直す回数が減ります。
結婚引越しの費用相場と節約法
別々に暮らしていたカップルが一緒に新居へ引越す場合も、同棲中の2人が新居に移る場合も、費用は荷物の量・移動距離・引越し時期・プランの選び方によって大きく変わります。

費用の主な内訳
| 費用の種類 | 目安・備考 |
|---|---|
| 引越し費用 | 荷物量・距離・時期・プランによって異なる |
| 新居の初期費用 | 敷金・礼金・前家賃・仲介手数料など(家賃の数ヶ月分が目安) |
| 家具・家電の買い替え | 2人分が重複するものは整理してから購入 |
| 引越し挨拶品 | 近隣への挨拶品(任意) |
まずは見積もりを取って比較しましょう。正確な引越し費用は、複数社から見積もりを取って比較しないと分かりません。一括見積もりサービスを使うと、複数社の料金を一度に比較できます。
なお、「引越し挨拶品」は新居の近隣に挨拶をする際に持参するものです。挨拶品の選び方は引越しの挨拶マナーと喜ばれる品物を参考にしてください。
節約するための3つのポイント
繁忙期(3〜4月)を外す
3〜4月は学生・新社会人の引越しが集中するため、料金が上がる傾向があります。結婚式や入籍のタイミングとの兼ね合いもありますが、引越しを6月以降にずらせる場合は費用が変わることがあります。
2箇所積みプラン(立ち寄りプラン)を活用する
別々の家に住んでいるカップルが引越す場合、2人分の荷物を1台のトラックでまとめて運ぶ「2箇所積みプラン(立ち寄りプラン)」が使えます。詳しくは次のセクションで説明します。
複数社から相見積もりを取る
1社だけに頼むと、それが適正価格かどうか判断できません。少なくとも2〜3社から見積もりを取り、サービス内容と料金を比べてから決めましょう。
費用の目安をつかんだら、次は2人分の荷物をどう運ぶか考えましょう。別居状態から新居へ引越すカップルに特に役立つ「立ち寄りプラン(二箇所積み)」を次のセクションで解説します。
立ち寄りプラン・二箇所積みの使い方
別々の家に住んでいるカップルが結婚を機に一緒に新居へ引越す場合、費用を抑えたい選択肢として立ち寄りプラン(2箇所積み・二箇所積み)があります。同棲中の2人がそのまま新居に引越す場合は1箇所からの引越しになるため、このプランは使えませんが、別居状態から新居へ引越すカップルには有効な方法です。
このプランは、1台のトラックが2人それぞれの旧居に立ち寄って荷物を積み込み、まとめて新居に運ぶ仕組みです。
彼(彼女)の旧居 → 相手の旧居 → 2人の新居
(1台のトラックで完結)
メリット3つ
費用が下がることが多い
1台分のトラック代で済むため、別々に手配するよりも費用が抑えられることがあります。見積もり時に必ず確認しましょう。
引越し日が揃う
2人が同じ日に新生活をスタートできます。最初から一緒に荷解きや片付けができるため、時間的にも効率がいいです。
見積もりが1回で済む
業者とのやりとりを1度で完結できます。
デメリット2つ
日程を合わせる必要がある
2人の都合が合わないと使えません。また、2人の旧居が遠すぎて1日で作業を終えられない場合も利用できないことがあります。
荷物量に制限がある
トラック1台に収まる量が前提です。2人分の荷物が多すぎる場合は、事前に不用品を処分して量を減らしておく必要があります。不用品処分は不用品を安く手間をかけずに処分する方法も参考にしてください。
準備しておくこと
お互いの荷物を事前に減らす
2人で生活していくと、掃除機・洗濯機・キッチン家電など重複するものが出てきます。どちらか状態の良い方だけを持っていき、古い方は処分しておくとトラック1台に収まりやすくなります。

丸1日スケジュールを空けておく
2箇所に立ち寄るため、通常の引越しより拘束時間が長くなることがあります。引越し日は2人ともフルで動ける日を選んでおきましょう。
業者に「立ち寄りプラン」「二箇所積み」と明示して見積もりを依頼する
「立ち寄りプラン」「二箇所積み」「カップル引越しプラン」「2か所積み降ろしプラン」など、呼称は業者によって異なります。業者のサイトで見つからない場合は、直接問い合わせて対応可能か確認してください。
このように、引越しプランを工夫するだけで数万円の節約になりますが、結婚に伴う新生活にはさらに大きな国の支援金が用意されているのをご存知でしょうか。条件が合えば、引越し費用や新居の家賃が数十万円単位で戻ってくる可能性があります。
結婚新生活支援事業(助成金)の活用
結婚を機に新居を構える世帯を支援する「結婚新生活支援事業」という補助制度があります。ただし、実施しているのは全国の一部自治体のみで、すべての世帯が対象になるわけではありません。お住まいの自治体が参加していて条件を満たせば、住居費・引越し費用に対して最大60万円が助成されます。自治体によって条件・手続き・申請期限が異なるため、必ずお住まいの市区町村の窓口で確認してください。
(出典:こども家庭庁 https://www.cfa.go.jp/policies/shoushika/koufukin )
助成金額(令和8年度)
| 夫婦の年齢条件 | 助成上限額 |
|---|---|
| 夫婦ともに29歳以下 | 最大60万円 |
| 夫婦ともに39歳以下(30〜39歳含む) | 最大30万円 |
※年齢は婚姻日時点。夫婦のいずれかが40歳以上の場合は対象外。
※助成上限は住居費・引越し費用など対象費用の合計額に対して適用されます。引越し費用だけで上限いっぱいまでもらえるわけではありません。
※この制度は自治体ごとに実施の有無・金額・年齢などの条件が異なります。最新の内容はお住まいの市区町村で必ずご確認ください。
主な要件
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所得要件 | 夫婦合算の合計所得金額が500万円未満(令和7年分) |
| 対象費用 | 住宅取得費・住宅賃借費(敷金・礼金・仲介手数料・賃料3ヶ月分まで)・リフォーム費・引越し費用 |
| 実施主体 | 市区町村(全自治体ではなく参加自治体のみ。令和5年度は全国894自治体が参加) |
| 申請先 | お住まいの市区町村の担当窓口 |
申請の流れ(一般的な手順)
- お住まいの市区町村で制度を実施しているか確認する
- 申請要件(年齢・所得・婚姻日・対象費用)を確認する
- 必要書類(婚姻届受理証明書・賃貸契約書・引越し費用の領収書など)を揃える
- 申請期限内に窓口へ提出する
自治体ごとの例年の傾向を見ると、夏頃に受付を開始し、翌年3月末に締め切るケースが目立ちます。ただし自治体によって異なります。領収書など費用証明の書類は捨てずに保管してください。予算が上限に達すると受付終了になる場合があるため、入籍後できるだけ早めに確認することを勧めます。
よくある質問(FAQ)
Q. 入籍と引越しを同じ日にできますか?
できます。ただし当日の負担は相当大きくなります。引越し作業が完了してから役所の窓口へ行くか、夜間窓口に婚姻届を提出するかが一般的な対応です。
夜間窓口は「受付のみ」で、書類の審査は翌営業日になります。不備があると翌日まで気づかないリスクがあるため、事前に役所の窓口で書類を確認してもらっておくと安心です。
Q. 婚姻届はどこの役所に出してもいいですか?
本籍地・住所地に関係なく、日本全国どこの役所(市区町村の戸籍窓口)にも提出できます。新住所の役所でなくても受け付けてもらえます。ただし、リゾート地などの「旅先」で提出して書類に大きな不備が見つかった場合、後日、地元の役所や本籍地まで修正に行かなければならない場合もあります。記念入籍を確実に成功させたいなら、事前に最寄りの役所で「下見(事前審査)」をしてもらうのが安全です。
Q. 助成金はいつ申請すればいいですか?
自治体によって異なりますが、自治体ごとの例年の傾向を見ると、夏頃に受付を開始し、翌年3月末に締め切るケースが目立ちます。まず入籍後できるだけ早めに、お住まいの市区町村が制度を実施しているかどうかを確認してください。実施していない自治体もあります。
申請には引越し費用の領収書・婚姻届受理証明書・賃貸契約書などが必要になるケースが多いため、書類は早めに揃えて保管しておきましょう。予算が上限に達した時点で受付終了になる自治体もあります。
Q. 2人の荷物が多い場合、立ち寄りプラン(二箇所積み)は使えますか?
荷物がトラック1台に収まる量であれば使えます。荷物が多すぎる場合は、(1)不用品を処分して荷物量を減らす、(2)大型トラックに変更する、(3)別々に引越すという選択肢になります。見積もり時に業者へ荷物量を正確に伝えて、対応可能かどうか確認しておきましょう。
Q. 婚姻届と転入届は同時に出せますか?
引越し先の役所に転入届を出すタイミングで、同じ窓口で婚姻届も提出できます。ただし、転入届は引越し後でないと受理されないため、引越し前に2つ同時に出すことはできません。引越し当日に両方済ませたい場合は、搬入完了後に役所へ行くスケジュールを確保しておいてください。
結婚前後は、家具の購入や新居の初期費用など、想像以上にお金が出ていくものです。だからこそ、削れる固定費(引越し代)は限界まで抑えるのが賢明です。特に、新婚向けの「立ち寄りプラン」や「2箇所積み」は、業者によって配車ルートの空き状況が異なるため、同じ条件でも業者によって数万円差が出ることがあります。2人の新生活の予算を守るためにも、まずは一括見積もりを使って、条件に合う業者をいくつかピックアップすることから始めてみてください。
見積もりの取り方については引越し見積もりの電話で聞かれることと注意点も参考にしてください。
参考資料・出典
- こども家庭庁「結婚新生活支援事業」https://www.cfa.go.jp/policies/shoushika/koufukin
- 住民基本台帳法(転入届の期限・第22条)https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=342AC0000000081
- 道路運送車両法第12条(普通車・二輪の変更登録・住所変更15日以内)https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=326AC0000000185
- 法務省「婚姻届」https://www.moj.go.jp/ONLINE/FAMILYREGISTER/5-2.html


