最終更新:2026年7月20日
「一人暮らしの引越しで、ご近所への挨拶って、したほうがいいんでしょうか」
そう相談してくれたのが、桜田さんでした。希望していたIT企業への転職が決まり、会社の近くのマンションへ、一人で引越すことになったそうです。
挨拶するべきか、しないべきか。一人暮らしだと、とくに迷いますよね。
結論から言うと、今は「必ずしなければいけない」ものではありません。でも、したほうがいい場面もあります。その見きわめ方を、順番にお話しします。
引越し作業でご近所に迷惑をかけたくない方は、ていねいな業者選びから。
一人暮らしの挨拶は、するべき?しないべき?
まず、いちばん気になるところから。
昔は、「引越したら、向こう三軒両隣に挨拶するのがマナー」と言われました。でも今は、その考え方が、大きく変わっています。
とくに一人暮らしでは、挨拶しない人も、めずらしくありません。「する人も普通、しない人も普通」。今は、そんな二極化の時代です。
どちらを選ぶかは、住む建物や地域で判断するのが、今の自然な考え方です。目安は、こうです。
挨拶を「したほうがいい」「しなくてもいい」目安(2026年)
| したほうが安心 | しなくても自然 |
|---|---|
| 木造アパート・音が響く物件 | オートロックの単身マンション |
| 長く住む予定 | 短期間の仮住まい |
| ファミリー世帯が多い | 単身者ばかりの建物 |
| 地方・近所付き合いが残る地域 | 都心で入れ替わりが多い |
なぜ、こんなに変わったのでしょうか。
ひとつは、暮らし方の変化です。とくに都市部では、隣に誰が住んでいるか知らない、というのが当たり前になりました。
単身者向けのマンションでは、そもそも住民同士が挨拶をする習慣がない、という建物も増えています。
もうひとつは、防犯やプライバシーへの意識です。知らない人に、自分の情報をあまり知られたくない。そう考える人が増えたのも、自然な流れです。
「絶対にすべき」でも「絶対にしなくていい」でもありません。自分の住環境に合わせて、決めていいんです。
女性の一人暮らしは、防犯で考える

一人暮らし、とくに女性の場合は、防犯の視点も大切です。
挨拶をすると、「ここに一人で住んでいます」と、周囲に知らせることにもなります。それを避けたい、という理由で、あえて挨拶をしない人もいます。これは、今の時代、とても合理的な判断です。
実際、女性の一人暮らしで「一人だと知られたくないから挨拶しない」という人は、少なくありません。
ここは、無理をしなくて大丈夫です。挨拶をしないことで、非常識だと思われる心配は、今はほとんどありません。
もし挨拶をする場合も、自分が安心できる範囲で。たとえば、玄関先で長く話し込まない、部屋の中の様子が見えないようにする、といった配慮をすると安心です。
一人で挨拶に行くのが不安なら、引越しを手伝ってくれた家族に、付き添ってもらうのもいい方法です。お父さんやお兄さんと一緒なら、「一人暮らし」という印象もやわらぎ、こちらも安心して挨拶できます。

大切なのは、マナーより、あなたの安全です。自分が「これなら安心」と思える方法を、選んでください。
挨拶するなら、どこまで・何を持って
「挨拶をしよう」と決めたら、次は、どこまで回るか、何を持っていくかです。
一般的な範囲は、両隣と、真上・真下の部屋です。でも、全部を必ず回る必要はありません。
とくに、引越し作業で音が出る当日は、隣の部屋にだけでも一言あると、印象がちがいます。
手土産は、高価なものは必要ありません。昔は一升瓶を持って、なんて話もありましたが、今は、かえって相手に気をつかわせてしまいます。
500円から1,000円ほどの、ちょっとしたものが、ちょうどいいです。
- タオルや石けんなど、実用的な日用品
- 個包装のお菓子(好みが分かれにくいもの)
- ラップや洗剤など、あって困らない消耗品
のしをつけるなら、「ご挨拶」と書いて、自分の名字を入れると、ていねいな印象になります。
挨拶のタイミングと、ひとこと例
挨拶のタイミングは、引越し当日から、翌日くらいまでが目安です。
とくに、引越し作業で音が出ることを考えると、作業の前に「今日、引越しでご迷惑をおかけします」と一言添えるのが、いちばんスマートです。
何を話せばいいか迷ったら、こんな感じで十分です。
相手が留守なら、無理に何度も訪ねなくて大丈夫です。ドアに挟めるタイプの挨拶状や、ひとことメモを添えて、手土産を管理人さんに預ける、という方法もあります。
大切なのは、完璧にやることではなく、「気持ちを伝えようとする姿勢」です。肩の力を抜いて、大丈夫です。
引越し「する側」も、退去時に一言を
ここまでは、新居に「入る」ときの話でした。でも、今の家を「出る」ときも、ちょっとした心配りが役立ちます。
退去のときは、手土産を持って挨拶する必要は、必ずしもありません。
ただ、引越し当日は、トラックが来たり、エレベーターを何度も使ったり、廊下に荷物を置いたりと、どうしても音や人の出入りが増えます。
だから、お世話になった両隣にだけでも、「◯日に引越します。搬出でご迷惑をおかけします」と一言伝えておくと、感じがいいものです。
(出典:アットホーム「引越しの挨拶」2026年)
入るときは「これからの生活音への配慮」、出るときは「最後の引越し作業への配慮」。どちらも、ちょっとした一言で、気持ちよく引越せます。
ちなみに、挨拶される側の気持ちも、知っておくと参考になります。
隣の部屋に新しい人が引越してきて、挨拶されたとき。多くの人は「きちんとした人だな」と、好意的に受け取ります。「わざわざ来なくても」と思う人もいますが、不快に感じる人は、そう多くありません。
むしろ、引越し当日に音がしても、「今日引越してきた人だ」と分かっていれば、受け入れやすくなります。挨拶には、そうしたトラブル予防の意味もあるんです。
自治会・町内会は「任意」
引越しの挨拶で、ときどき出てくるのが、自治会・町内会の話です。
まず知っておきたいのは、自治会・町内会は、住民が自主的につくる「任意の団体」だということです。加入は、強制ではありません。
(出典:町田市/横浜市「自治会・町内会について」2026年)
昔は、「引越したら地域に入る」という感覚が強く、自治会長さんにお酒を持って挨拶、という地域もありました。でも今は、入る人・入らない人、どちらもいます。
ただし、戸建てと賃貸で、事情は少しちがいます。
- 戸建て:ゴミ集積所の管理や防災、回覧板などを自治会が担う地域もある
- 賃貸マンション:自治会との接点が薄いことも多い(単身向けはとくに)
今の自然な考え方は、「入るために挨拶する」のではなく、「その地域のルールを確認する」ことです。
戸建てに引越したなら、「こちらの地域では、自治会はどうなっていますか」と、近所の人に聞いてみましょう。それで十分です。ゴミ出しのルールも、あわせて確認しておくと安心です。
入るかどうかは、そのうえで、自分で決めればいいことです。無理に、最初から身構える必要はありません。
スムーズな引越しは、業者選びから
最後に、ご近所トラブルを避ける、いちばんの土台をお伝えします。
それは、引越し当日の作業を、ていねいにやってくれる業者を選ぶことです。
引越し作業で、廊下を傷つけたり、大きな音を立てたり、長時間ふさいだり。こうしたことが、ご近所への第一印象を悪くしてしまいます。せっかく挨拶をしても、台無しです。
その点、作業がていねいな業者なら、養生をしっかりして、手ぎわよく、静かに運んでくれます。近隣への配慮も、慣れています。
そういう業者を選ぶには、何社かで見積もりを取って、料金と対応を見比べるのがいちばんです。やりとりのていねいさから、その会社の姿勢が見えてきます。
気持ちのいい新生活のために、まずは複数社の見積もりを取って、信頼できる業者を選びましょう。
ていねいな業者を見つけたい方は、まず複数社の料金と対応を見比べてみませんか。
まとめ
一人暮らしの引越しの挨拶について、まとめます。
- 挨拶は必須ではない。建物・地域・防犯で判断する時代(する人もしない人も普通)
- 女性の一人暮らしは、防犯を優先してOK。しない選択も合理的
- するなら両隣+上下階。手土産は500〜1,000円ほどの日用品で十分
- タイミングは引越し当日〜翌日。作業前の一言が好印象
- 自治会は任意。戸建ては地域のルールを確認、賃貸は接点が薄いことも
挨拶は、「しなければいけない義務」ではなく、「気持ちよく暮らすための、ちょっとした心配り」です。自分に合った形で、無理なく新生活を始めてくださいね。
※本サイトに掲載している料金・相場は特定時点の参考値です。実際の料金は荷物量・移動距離・時期・作業条件によって変わります。正確な金額は各引越し業者の公式サイトまたは見積もりで必ずご確認ください。
出典・参考リンク
- アットホーム「引越しの挨拶・退去時のマナー」(2026年)
- 町田市/横浜市「自治会・町内会への加入について(任意団体)」(2026年)
- 警察庁/各自治体「女性の一人暮らしの防犯」

