複数の引越し業者から見積もりを出してもらっても最終的には1社に絞り込まなければなりません。
最終的に決めた1社以外は、全てキャンセルする必要があります。
この時、曖昧な断り方するとその場でさらに営業されたり、後日引越しの案内連絡が来たりします。
「選んだ業者」よりも「選ばなかった業者」とのトラブルの方が多いのです。
そこで、引越しキャンセル時にかかる料金と正しい断り方をまとめました。
引越しのキャンセル料金は取られるのか?
引越しのキャンセル料金は、引越し日の2日前まではかかりません。
このことは、引越しトラブル防止のために作られた「標準引越運送約款」で決められています。
前日キャンセルは10%以内。
当日は20%以内の料金がかかることも明記されていますが、暴風雨の場合は当日延期してもキャンセル料はいりません。
引越し当日が雨で、家財が濡れてしまうのが嫌だという場合は、業者に連絡を取って引越し日を変えてもらうといいでしょう。
ただし、引越しを当日延期した場合、自分の希望日に引越し業者が空いているとは限らないのでご注意ください。
付帯するサービスには別途キャンセル料がかかる場合もあり
引越しそのもののキャンセル料はかからなくても、付属していたサービスのキャンセル料がかかることがあります。
標準引越運送約款第21条では、サービスのキャンセル料について以下のように定められています。
解約の原因が荷送人の責任による場合には、解約手数料とは別に、当店が既に実施。
又は着手した附帯サービスに要した費用(見積書に明記したものに限る。)を収受します。
「荷送人」というのは、引越しを依頼する側のことです。
「当店が既に実施し、又は着手した附帯サービスに要した費用」には、ダンボールやガムテープ、その他梱包資材が含まれます。
未使用のものは返却することも出来ますが、使用済みの場合には買い取らなければいけないこともあります。
相場は、ダンボール1枚当たり200〜500円です。
見積もり時に「無料」だといって受け取ったダンボールなのに、キャンセル時にお金を払うなんて・・・と思われるかもしれません。
しかし、引越し業者が持ってきたダンボールには、「うちの業者を利用してくれるのなら無料にしますよ!」という意味が込められています。
業者にしてみれば、契約してもらえないのにダンボール代を負担するメリットはありませんよね。
引越し業者を迷っている段階なら、契約が確定するまで段ボールは受け取らない方が良いです。
一度受け取ってしまうと、未使用でも買い取らなければいけないこともあるので注意してください。
また、引越し業者をキャンセルしてダンボールを引き取ってもらう場合、業者は引き取りに来てくれません。
自分で持って行くか、宅配送料を支払って送るかのどちらかになります。
いずれもお金や手間がかかってしまいます。
最終的に決めた引越し業者に他業者から受け取った無料資材を返却してもらうようにお願いしておきましょう。
見積もりを取ったまま保留にしている状態に注意
複数の引越し業者から見積もりをとって、保留にしたままにしている人は意外と多いです。
最終的に業者を1社に決めた後は、それ以外の業者に「引越しの契約はしない」と伝えておかなければいけません。
契約しないということをちゃんと伝えておかないと、見積もり時の担当者からしつこく連絡が来る可能性があります。
しつこい営業の電話を避けるためにも、必要なくなったということをハッキリ伝えるべきです。
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引越し業者の正しい断り方
引越し業者にどのようにして断ったらいいか分からないという人のために、正しい断り方をご紹介します。
相手に気を使ったり、表現方法が曖昧だと後でトラブルになります。断る時には、頼まないことをハッキリと伝えることが大切です。
営業担当者にさらに営業をかけられてしまう悪い断り方は、以下のようなものです。
悪い断り方の例
提示してもらった見積もり価格より安くしてくれるところを見つけたので・・・
A社ならオプションを無料でつけてくれるというので・・・
他の引越し業者の方がメリットが大きいから、というような断り方は避けましょう。
このような断り方をすると、相手は交渉をすれば何とか契約してもらえるかもしれないと思うので、さらにしつこく営業をかけてきます。
相手に自分の意思をしっかり伝えられる良い断り方は、以下のようなものです。
良い断り方の例
引越しの予定が無くなった
会社の提携引越し業者を選ぶよう指示された
付き合いのある不動産会社(または大家)さんに紹介されて仕方なく
- 「私が決めたわけではない」
- 「どうしてもそうせざるを得なかった」
という雰囲気を持たせることがポイントです。
「もう必要ない!」と一方的に伝えるのではなく、「ありがとう」と感謝の一言を添えた上でハッキリと断りましょう。